まえがき
 坂の町、神戸。終戦後、家族五人の生活の糧を求めて、父はパンの配達を始めた。
 その父を助け、学校と手伝いに明け暮れる日々が始まったのは、私が小学校一年生の時だった。
 下校後友達と遊ぶこともできず、宿題すらする時間がなくなり…、しかし、父はそれに余る多くのものを私に与えてくれた。
 戦前は当たり前であった「親への絶対服従」、今では死語にすらなった感のある「スパルタ教育」、 そのいずれの言葉でも語り尽せないのが、私の受けた「父の教え」である。
 その根底にあったのは、溢れんばかりの家族への愛情であった。
 その愛情を常にひしひしと肌で感じた父との日々を、思い出すままにまとめてみました。
「そんな教育もあったのか」
「それでも子供はついていったのか」
 などご感想をいただければ幸いです。
 昨年11月より4ヶ月にわたり、エピソードのいくつかを書いてきましたが、今回、4編を 追加掲載し、とりあえず第一部を終わります。
「全国のお父さんに読んで欲しい」
「ぜひ、映画やテレビにして欲しい」
 など、うれしいご声援を頂き、感激しています。
 また、いつの日か、第二部として、中学時代以降をもっと加えて思い出を綴ってみたいと思います。
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